リウマチ性の病気の治療に抗生物質を使用するための
プロトコル
全体のプロトコルを読むことが重要である。
このリウマチ性疾患のための抗生物質の使いかたは、
伝統的な抗生物質の処方されかたとは異なっている。
(c) 1998, The Road Back Foundation. Federal
law prohibits reprinting without
express permission of The Road Back Foundation
This protocol supercedes any previous Road Back Foundation protocols. It remains based on the publications of Thomas McPherson Brown, M.D. as well as current research and treatment experience covering over 50 years of clinical experience and has been medically approved.
本書は医師でも、翻訳の専門家でもない、一患者による日本語訳ですから、誤りや不適切な表現があり得るかもしれませんので、原文と併せて御利用頂くようお願いいたします。 2月23日 2000年 大木統雄
治療要約
投薬 -
原理 -
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I. 背景
関節炎は有史以前の時代から存在するのが知られている。3700万人以上の人が現在、何らかのフォームのリウマチ様の病気に悩んでおり、その結果何百億ドルの健康管理コストと生産性の損失が発生している。このプロトコルは低い投与量抗生物質を安全で有効に使用して、これらの人々をアクティブで生産的な生活に返す方法を提供する。
II. 病気のメカニズム________
このプロトコールは炎症性の種類の関節炎を持続的な細胞性の過敏症と見る。--この過敏症は隠された目に見えない微生物のソース(すなわち、マイコプラズマか密接に関係づけられたバクテリアのLフォーム)から派生した抗原に長期間被曝したことによって引き起こされる。
下等な動物における様な侵入と急速な組織破壊の古典的な方法によってではなく、細胞性の反応を創り出す事によって、人間においてマイコプラズマは病原性の効果を産生すると思われる。--この「細胞性の反応」は、細胞から間欠に放出される抗原をとおして、時間をかけて敏感になる宿主に対する積年の細胞寄生の結果として出現する。
リウマチ性疾患が最も進んだ状態に進行するのは、たぶん細胞か分子の模倣による過免疫もしくは自己免疫性の状態の進展に対する宿主(host)の組織の過剰反応である。細胞性の抗体とマクログロブリンとリウマチ因子の産生によって特徴付けられる病気のこのフェーズは、微生物の前駆体の伝播を論理的に防ぎながら、免疫システムの第2線列の表現のように思われる。治療法の焦点は、重要な抗原のソースとしてのマイコプラズマを排除することに置かれねばならない。
病気の毒性はマイコプラズマの生物学の特性によって決定されるかもしれない。この特性は以下のものを含む:
損傷をホスト細胞膜にもたらすマイコプラズマを付着させることによる過酸化水素遊離基の発生
ホストセル維持機能を混乱させる栄養物の競合と枯渇
マイコプラズマを保護し免疫調節性の活動を与える、カプセル様の高電子密度の層または構造の存在
保護的なホストの免疫防御の可能な限りの回避をを引き起こす抗原変異
局在型の組織分裂、分裂と染色体の異常を導くホスト細胞へのマイコプラズマ酵素(ATHases、溶血素、蛋白質分解酵素および核酸分解酵素)の分泌または導入
マイコプラズマを保護していて、潜在性または慢性の状態を確立して、mycoplasmacidalの免疫のメカニズムと選択薬療法を回避する細胞内の居住
ホスト遺伝標識
これらの病因が、何年も細胞免疫が弱く寄生木として留まっているときに、恐らく一生の早い時機に関節組織に侵入することが暗示される。何年にもわたって、細胞の防御メカニズムを表す固定した組織の抗体は、感染した細胞を取り巻く組織中で濃度を増加させ始める。最後に、この抗体の濃度が十分高くなった時、段階は反応が二つの力の間で起こるようにセットされる。この二つの力は細胞外のマイコプラズマと細胞内のマイコプラズマである。
臨床の認識における病気の始めは、2つの力が負傷、ストレス、気圧の変化、または他の環境要素によって急に発生した時である。初期の反応は細胞間の空間の炎症の1つであり、これは急速に伸展して、熱く膨れて痛い関節を産生する。反応は感染するプロセスが広まるのを妨げるように仕組まれている。残念ながら、この保護的なメカニズムは人体の防御力の入り口への障壁にもなる。こうして、病気のプロセスの慢性的で容赦ない本質を説明する自身の道路障壁(road block)を創り出すことが病気の性質である。
過敏症状態
微生物の過敏症状態における治療アプローチは標準の抗菌療法と全く異なることが決定される。リウマチ様の病気では、反応性亢進の状態自体は微生物の抗原複製を抑え、関与するマイコプラズマ病巣の局所化の高瀕度を説明する。治療の主要な目的は抗原産生の抑圧であり、同時に過剰な抗原の急激な放出を避け、投薬による薬品感度を遅らせることである。
有効な治療法は進化して標準的な感染の治療の逆になった。投薬量は高い代わりに比較的低い、一般に、それは持続の代わりに断続性であり、通常治療は長期的である。
すべての微生物の過敏症状態において、組織の反応性が表れるに従って原因的な病因は仮想的に地下に潜る。したがって、高度な反応状態では、病気をそれ以上にコントロールするのに、抗菌の投薬は非常に少ししか必要ない。そして、多くがまた与えられるならば、体は薬自体に反発し始め治療の目的は失敗する。これは間欠治療の主な理由である。
すべてのバクテリアの過敏症状態は、結核、リウマチ熱およびブルセラ症によって例証されるように、間欠抗原抑制治療を必要とする。
微生物の原因を扱うこと。
持続した寛解の誘導における基本的な治療目標は、抗原産生をコントロールし、抑えることである。最終的な目的は微生物の前駆(antecedent)の究極の除去である。
主要な目的、抗原生産の抑圧では、過剰な抗原の急な放出と過剰投薬による遅延の薬品感度を避けるために、投与量を個々の患者に合わせる必要がある。抗マイコプラズマ投薬の程度は、例えばミノサイクリンを1週間に50mgを1回か2回の最低量まで減らす必要があるかもしれない。そして患者の許容量に応じて徐々に増やしていく。
治療で成功するための重要なガイドラインは逆説の悪化を伴う過剰投薬の回避である。あまりに多量の投薬は、薬品自体に対する続発する過感受的な反応を引き起こし、病気にぴったりと模倣した症状(Herxheimer Reaction)を示しながら関節炎のフレアを誘発する事がある。1週間の一時的な治療の中断と次に同じ低投与量で再開するによって治療法のバランスは容易に回復させることができる。
病気の特性
特徴的に炎症を起こしている組織中に存在する毒性の物質は、次々に死んだ有機体からの毒素と同じように、血液中に逃れ、肝臓に運ばれてそこで滅ぼされる。器官系を通り抜けるに従って、彼らは最も大きい抗原蓄積の間際に反応して、その頑固さの故に荒廃的なやりかたで身体に影響するかもしれない。それは:
重篤な関節炎を発症し、それが残留性の変化無しに急速に静まり、それから再発性の同じような発症があった患者は、発症がはっきりしない関与で緩やかな患者より破壊性の関節の変化を起こしにくい様に思われる。時がたつうちに、「抗-マイコプラズマ」治療方法の継続によって、多くの関節の炎症を起こしている部位でゆるやかな減少が見られ、毒性の物質は概ね減少する。
病巣感染
患者は他の抗原の源として、以下の部位で検査をする事が絶対に必要である。それは様々な細胞間の部位での静脈内もしくは血管外の体液、またはもっと大雑把に言うと、多様な嚢胞、繊維性の窩洞と他の遠隔性の領域(洞アレルギー、尿生殖器腺、腸、骨盤の領域、消化管、歯など)。抗原の源泉へのこれらの異なった部位のそれぞれは、新しいセットの変量を創り出すが、主要な問題(抗感染性の薬品を微生物との直接接触に導くこと)はすべてに共通である。
病巣感染は関節炎を活性化する事が知られている。感染の結果残された目に見えないL-形組織が、微生物の侵入よりむしろ連続した抗原の放出を通して炎症性の反応をしでかすのは有り得ることである。病巣感染から派生したバクテリアの変種(たびたび、連鎖球菌、Lフォーム)が見つけられた時、感染の連係が徐々に攻撃に耐えられるようになる。反連鎖球菌の抗体はマイコプラズマタンパク質(心臓ミオシン、トロポミオシンおよびmycoplasmal adhesins)と交差反応する。これらの変異体は、しばしばオリジナルのマイコプラズマ感染と同時に(有効性を達成する為に異なった抗生物質を使用して)治療しなければならない。
患者に高いASO滴定量が認められるか、または連鎖球菌感染の強い病歴を持っているなら、アンピシリン250 mgが処方され、1日1回服用される。(晩に服用し、テトラサイクリンとは同時に服用しない事が望ましい)ASO滴定量が標準になるまで、これは続けられる。以後は患者は再発のためにモニターされる。
III.
治療
重篤なまたは長期にわたる病気を持った患者の治療
治療は2つの重要な点に導かれなければならない: 過敏症状態と微生物の原因。炎症は、一定投与量の消炎薬と低投与量、間欠の抗生物質での微生物感染の抑圧で治療される。長期の治療が必要なので、連続した低投与量の間欠抗生物質の投与は、患者の安全に対して、より実行可能で、長年続けることができる。
洗い出し期間
患者が強い抗リウマチ薬(肝臓に蓄積される傾向のあるメトトロキセートや金剤のようなものは特に)または消化管に感作する薬品を服用していたか、まだ服用している場合、洗い出し期間の4〜6週間が結腸炎などの反応を避ける為に考慮されるべきである。洗い出し期間中の間患者を維持するのに低投与量(<10mg)プレドニゾンを使用することができる。
消炎鎮痛薬
第一歩は、抗生物質作用のための道を準備するために消炎鎮痛薬の投薬で炎症を減少させることである。
2〜3錠のタブレットを1日あたり3〜4回が与えられているとき、腸溶性のアスピリンは役に立つ場合がある。また、他の消炎鎮痛薬もまた役に立つかもしれない。NSAIDへの患者の反応は個人毎に異なるので、薬品の選択は個々の患者の応答に依存するだろう。
枯草熱、喘息などの先天性のアレルギーを持っている人々はしばしば他の非ステロイド消炎鎮痛薬よりむしろフェニールブタゾン系薬物を許容する。これらの高度にアレルギー性の個人では、抗ヒスタミン剤と非常にわずかな投与量(1日あたりの5 mg. 未満)におけるコルチコステロイドさえ役立つ場合がある。
療法の開始
患者は治療が極度に遅くて、ゆるやかであり、彼らが本当に多くの好転を見ることができるのに6カ月から1年かかるかもしれないことを忠告されなければならない。より厳しいか長期の患者では、もっとたくさんの時間(2-5年)がかかることがある。
適切な化学療法的なアプローチは、テトラサイクリンとエリスロマイシン《マクロラド系抗生物質》が多くのマイコプラズマ感染に対して有効であると認めなければならない; 何かが1つの系統かもう片方に耐性がある。系統を単離するためにマイコプラズマの検査が必要かもしれない(See Appendix A)。
厳しいか積年の病気をもった患者は1〜3週間、一連の毎日の静脈か筋肉注射による抗生物質治療から開始する。クリンダマイシンは、抗生物質のテトラサイクリン系の、より大きい透過率を許容して、病気の変量を減少させるように腸、気道、尿生殖器道および他の領域で長年のLフォームのバクテリアの定住個体を根絶するために与えられている。クリンダマイシンは好中球の食胞内に濃縮される、その結果炎症の部位に蓄積する。
クリンダマイシン筋肉注射--クリンダマイシン300 mgを筋肉内に1週間から2週間投薬できる。その後必要によりまた患者の許容どに応じて300 mgを1週間毎に、1月毎に、または6週間の感覚で投与できる。組織内に長期間留まるので、低投与量が有効的である。
クリンダマイシン静脈注射--おそらく存在すると思われるLフォームのバクテリアの耐性を発達させることを避ける為に、静脈注射は低投与量(300 mg)で開始し、緩やかに増量するべきである。この耐性が発生すると、患者は抗生物質療法にうまく反応しないだろう。
IV療法は最初の2日間45分の期間にわたってIV点滴によって投薬される5%の250ccブドウ糖溶液中に与えられる300mg.で徐々に始められる。次の2日間は投与量を600mg.に増やされ、その後は如何なる副作用も観られないなら、最終的に900mgに増やされる。
クリンダマイシンによるIVかIM療法は患者の必要性に従って間隔を空けた周期で続けられる。それは患者の必要度に滴定されて週に一度か月に二度与えるられる。毎週か毎月のIVが患者には可能でないならば、6カ月毎などの、より広く区切られた間隔で、シリーズは投薬することができて、後は年一回の基準で検査値が標準に戻るまで続ける。
経口のクリンダマイシン--何人かの医師は経口のクリンダマイシン(すなわち、1200mg)をIVやIMの代わりに週1回の適用量で成功した。
テトラサイクリン療法
療法への付加物として周期的なクリンダマイシンを続けながら、初期のクリンダマイシン IVまたはIMコースに続いて、経口のミノサイクリンまたはドキシサイクリンが処方されるのが最も一般的である。患者によるアレルギーの反応を避けるために速く高過ぎる投与量の抗生物質薬品を与えないように注意するべきである。
連続した反炎症薬か間欠の反微生物の投薬での適切な薬の滴定を達成するのに失敗するとリウマチ様バランス状態の障害を来たし、臨床の悪化(Jarisch-Herxheimer Reaction)を促進することになる。
重篤か積年の病気
厳しいか積年の病気をもった患者は毎日一度週あたり1日から2日、経口のミノサイクリンまたは ドキシサイクリンを患者の耐性に応じて50から100 mg.またはテトラサイクリン250mg.の低投与量で始められる。患者の耐性に滴定して、次の治療標準投与量まで増やすべきである。ミノサイクリンかドキシサイクリン100 mgを1日に1回、またはテトラサイクリン250 mgを1日に2回を月曜、水曜および金曜に。
投薬が病状を悪化させる傾向があるならば、間隔を変えて、それはたぶん1週間に1回か1週間に2回、徐々にM-W-F 投与量に増加させる。何人かの患者が薬品にとても敏感な為に、ミノサイクリンまたはドキシサイクリン25mgから50mgを2週間に1回か1月に1回にしか許容出来なかったが、継続して投与量を調整した結果、ミノサイクリンまたはドキシサイクリン100mgを1日に1回か2回、月曜、水曜、金曜の最適な標準投与量まで徐々に持っていく事が、病気をフレアさせることなしに、可能になった。
比較的軽く早期の病気
厳しくないか早期の病気をもった患者にとって、彼らが経口の投薬だけを使用しでも同じ結果を経験するので、IVかIM治療は必要ないかもしれない。これらの患者のための最適な標準の投与量はミノサイクリンかドキシサイクリン 100 mg.を毎日一度、月曜、水曜および金曜、かテトラサイクリン250mg.を毎日二度、月曜、水曜および金曜にである。
標準の抗菌療法と異なって、この方法は低い投与量が適切に区切られ、臨床的に滴定されて、たいていの場合長期間にわたって与えらるという薬品管理の新しい原理の適用を必要とする。吸収が消化管の、胃から前方へのすべてのレベルから行われるので、--決して完全でないが--投与量が、大きいほど、より少ない比率でしか吸収されない。減少した吸収に責任があるメカニズムは2重であるように思われる:
● テトラサイクリンの溶解性は胃のより酸性の液中ので良好である;腸のアルカリ性の液では劣る。
● テトラサイクリンはまた、カルシウムが最も多量に存在する傾向があるところの2価の金属と化合するか傾向がある。
狼瘡とミノサイクリンに関する重要な注意
狼瘡患者はミノサイクリン以外のテトラサイクリンを使用したがるかもしれない。二三の研究が、ミノサイクリンが数人の患者で狼瘡と良く似た症状を引き起こす場合があるのを示していて、PDRにはIVと経口のミノサイクリンが数人の患者のろうそうの症状を悪化させることがあると書かれている。(PDR:Pocket Guide To Prescription Drugs)これはHerxheimer表われかもしれない。
加えて、ある協会はM.hominisと狼瘡の中間と示した。(M.hominis=Micoplasma hominis)
M. hominisがエリスロマイシンに耐性があるので、狼瘡患者のために処方するとき、これも避けられるべきである。Ginsburg(18), Cassel(19) M.hominisは試験管内のクリンダマイシンに対して感受性があり、M.hominisに対しての検査で陽性の患者で、おそらくそれを効果的な補助剤にする。
投与量の増量
評価の2つの基本的な方法が、抗生物質投与量を増加させるのに適切な間隔を得る為の指標と考えられる。
1) 患者は投薬の適用に続いて起こる病気症状の主観的(目に見えな)および客観的(目に見える)悪化のために最初の数カ月の治療の期間は慎重に観察され質問されるべきである。
療法(Herxheimerの上のセクションを見る)に関連する明らかなフレアが認められる限り、投与量は検査の所見にかかわらず増加されない。通常、この競合は4週間から6カ月以上持続する事は無い。この間検査の徴候が存在するならば、投与量は増加される。一般に、より大きい投与量が回復を促進するだろうという頻度の感覚にもかかわらず、抗生物質の初期の投与量は3〜6カ月維持される。
2) 血液テストは4〜12週間の間隔を置いての患者が安定するまで続けれる。それ以後はたいてい6カ月毎で十分である。好転のサインが続く限り、抗生物質の投与量は変えられない。好転の検査結果が出ないか、または異常なレベルで安定しているならば、投与量、頻度の増加か投与の経路での変更が考慮される。
投与量の増加が示されるとき、それが投与量の間の間隔を減少させることによってか、または投与量自体を増加して同じ間隔を置いて投与されることによって、成し遂げられる。
逆の方法では、薬品で誘発されたフレアが過度であるように見えるならば、同じ増分によって、または、投与量の間の間隔を長くすることによって、投与量を減らせるかもしれない。
この調整または滴定の過程は以下の最適な標準適用量に患者が到達するまで続けられる。--ミノサイクリンかドキシサイクリン100 mgを月水金曜日に1日1回か2回、テトラサイクリン250 mgを月水金曜日に1日2回。
関節への注射
関節の反応状態(the reactive state)が激しくて、浸透度が経口または静脈注射/筋肉注射の経路によって達成されないときに、クリンダマイシンの関節内注射は非常に効果的である。炎症は最大のクリンダマイシン効果のためにほとんどの例で減少されるはずである。--大きい関節のための普通の治療プラン--クリンダマイシン 2 cc(300mg)にデキサメタゾン 1 cc(4mg)を加えるこれらの投薬の同じ組み合わせの減少した量は、より小さい関節に使用できる。または有効であることがわかっている比率は(2/3 to 1/3)か(1/2 to 1/2)のどちらかである。これはコルチコステロイドの一時的なブロッキング効果が重要になる1つの例である。
The Herxheimer(薬品の関連するフレア)
症状の一般的な悪化は時々療法の開始に続いて見られ、病気が重篤ならば、より起こりやすい。このフレアは主観的(目に見えない)であるか、または客観的(目に見える)か両方かもしれない、そして投薬が始められてから数時間か最大2〜4週間後に起こるかもしれない。
治療の前のヘマトクリット《赤血球容積率》で低い値を、グロブリンレベルで高い値を示したたそれらの患者には、抗生物質の与えられた投与量で最も激しいフレアがある。
Herxheimerフレアは抗生物質がその目標に達したという最初の徴候であり、したがって良いサインであると考えられる。
関節炎の病状の重大度が、自然発生的な好転か、慎重に測定された抗生物質の投与量による継続的治療の結果として、減少し始めた時、抗生物質に対する最大の許容値が分かり、より大きい投与量がHerxheimerフレア反応の再発なしで許容される。しかしながら、どの時点でも、投与量が急速に増加され過ぎたならば、初期のフレア反応は再び起こるかもしれない。
これらの悪化の評価をする際に、医師は、他の原因からのしばしば起こる病気のフレアに留意しなければならないし、薬品によって引き起こされたフレアと区別するよう心がけるべきである。
HerxheimerとRAフレアと薬品へのアレルギーの反応を区別すること
研究室検査は、病気の悪化(RAフレア)、微生物の毒素へのHerxheimer反応、および投薬へのアレルギーの反応を区別するのを助ける。
1) 白血球はHerxheimerでは高い値を示し、フレアでは低くなるだろう。
2) また、Herxheimerは血沈速度、ガンマグロブリンおよび総グロブリンの同時発生的な上昇を示し、および血清アルブミンとヘマトクリットでの低下を示すだろう。貧血、血清アルブミンの抑圧、高い総グロブリンとガンマグロブリンに伴われるこのフレア反応を示す患者は、たぶん反L物質(anti-L substances)に対して、血液学的に温和なケースより、激しい反応パターンを反映する。
3) 好酸球(例えば、およそ30%)での顕著な増加は薬品へのアレルギーの反応の徴候である。
最初の好転の徴候
通常、最初の3カ月の療法の間の患者には客観的な好転はほとんどない。次の3〜9カ月では、起こるとしても、好転はかなりゆるやかなものである。イベントの経過は、金、メトトレキサートかクロロキン療法で認められるものよりも、時々遅いことがあるけれども、同様なものである。
初期の発症時はたいてい激しいものだが、通常、好転の最初のサインは朝のこわばりの持続時間が短くなることである。患者は全身の幸せな感じが、初期には1時間か2時間続き、良い日が増え悪い日が減って、その間の時間も長くなりながら、増加していく事に気づく。
「反-マイコプラズマ」療法が続くに従って、毒性の物質は徐々に減少して、正常な機能は戻り始める。力が増し、血球数の正常レベルへの上昇、精神的な鋭さ、集中する能力、仕事への興味の回復と減少したいらいら感はすべて目覚しい配当となる。これらのすべての症状が、長年存在している後にさえ、リウマチの寛解でひときわ改善されるかもしれない。
5年の期間にわたる病気制御の度合いの臨床と研究室パラメタを測定するのは可能である。この期間、治療された患者の70パーセント以上は5年後に持続した好転を示した。このアプローチの主要な利点は、成功するための基本的な方法における、早期の慢性関節リウマチを治療する自由である。
好転の間の治療の継続
ほとんどの患者が、治療を無期限に続ける必要がある。検査所見が少なくとも3カ月正常な値に戻るまで、投薬は続けられるべきである。次に、徐々に静脈注射治療が中止され、どんな副作用も観測されないなら、経口のテトラサイクリン系薬物は減量される。ある患者達にとっては、この治療は永久的な寛解を提供して、これ以上投薬は必要ない。まだ他の患者は、病気を抑えるために保守投与量を続ける必要がある。投薬があまりに早く中止されると、オリジナルの病気というよりも厳しい場合があるリバウンド効果が起こるかもしれない。症状が再発するならば、テトラサイクリン系薬物の短いクールは、寛解に患者を導入するために十分かもしれない。短い間隔での反復クールは必要かもしれなく、通常不定の期間、寛解をもたらすだろう。ある患者にとっては、過敏症はたぶん分子模倣の形に順次変化していき、そういうものとして、自己免疫は標的となる。より高い組織濃度(azithromycinなどの)による他の薬品への回旋が受容体が物真似分子を結合するのを妨げるのに必要かもしれないが、抗生物質の有効性は存続する。
薬品の回転
Thomas McPherson Brown, MD、抗生物質療法の創始者は、抗生物質を4-5年おきに回転させることが、同じ分類の中でさえも、患者が薬品に対して耐性を発生する可能性を減少させる事を発見した。回転期間の後に、最初に使った薬品は再使用できるかもしれない。
副作用
テトラサイクリン系薬物とエリスロマイシンは高効率でかつ安全な「反-マイコプラズマ」
物質である。
投薬が敏感な性質か先天性の毒性持っていなければ、抗菌の薬品の適正な使用は一般的に、驚くほど薬品合併症から免れていると言う事が微生物の過敏症状態の特徴である。マイコプラズマがバクテリアと異なって、薄い覆い膜だけで、細胞壁を持っていないことはさらに興味深い。したがって、反マイコプラズマ物質への長期の露出が、通常セルの壁の酵素の活動に依存するマイコプラズマ耐性を創り出すとは思われない。50年間以上の使用中に、投薬からの悪い効果は経験されなかった。この分野の全ての薬と同じように遅延の感受性の出現を除いて。これも、容易に扱う事が出来るレベルであるが。
カンジダ(Candida)は通常問題でないが、数人の患者では、それは重篤になることがある。
乳酸菌(Acidophilus)は予防として処方されるべきで、また過成長が起こるのを防ぐために定期的に検査をすることが必要である。また、カンジダは、もし持続するならば、リウマチ様の病気と同時に治療されるべきである。
研究室テスト
すべての研究室テストが標準に戻るまで、患者は投薬を継続する。ある患者は、それらの研究室結果が改善されるずっと前に良くなり始めるのを示した。また、逆も本当の場合がある(See Appendix B)
このプロトコルは主にThomas McPherson Brown, M.D.,--50年以上前にこの治療を開拓して、発展させた医師--により出版された作品から編集された。
1998年5月改訂
The Road Back Foundation
米国オハイオ州デラウェア
訳者注: この後に 参考文献一覧、Appendix
A - Mycoplasma Response to Drugs , Appendix
B - Laboratory Testing が附加されています。本書では省略していますが、必要な方は原文をご参照頂く様に御願いいたします。